「騒音対策をしたいけど具体的な方法が分からない」
「近隣へ配慮して音漏れを防ぎたい」
といったお悩みはありませんか?
本人にとっては足音や話し声、扉の開閉などの何気ない行動で生じる音でも他人には不快に感じられることもあります。
特に集合住宅では近隣住民とのトラブルが起こるケースもあり、
人間関係の悪化だけではなく、ストレスや不眠といった健康被害を引き越す原因にもなります。
だからといってむやみに防音対策しても意味がありません。
基本的な防音の仕組みを理解しておかないと期待する効果を得られないこともあるからです。
こちらでは、主な防音工事の種類や内容について紹介しているのでマンション、戸建て、施設などの音漏れ対策をお考えの方、騒音にお困りの方は参考にしてみてください。
防音の基礎知識
防音とは、建物や部屋から音が漏れるのを防ぐこと、または外側から内側へ音が入るのを防ぐことを言います。
- 遮音
- 吸音
- 防振
- 制振
これら4つの総称として使われるのが一般的で、防音対策もこれらを組み合わせるとより効果的です。
遮音とは
遮音は、空気中に伝わる音を遮断して室内や室外へ音が抜けるのを防ぐことです。
防音対策の中では最も簡単に対策できる方法です。
具体的には、空気を通さない重い素材を使って音を跳ね返します。
主に使用される素材
- コンクリート
- 石膏ボード
- 鉛シート
ただし、遮音性能が高過ぎると音が反響しやすくなって室内の音が聞き取りにくくなることがあるので注意が必要です。
この反射音に対しては吸音で対策が行えます。
吸音とは
吸音は、室内で発生した音を吸収して音漏れや反響を防ぐことです。
空気を介して伝わる音を防ぐ場合は、吸音と遮音が活用されています。
具体的には、「多孔質」と呼ばれる細かい穴が開いた素材を利用して音を吸収させる仕組みです。
主に使用される素材
- グラスウール
- ロックウール
- ウレタンフォーム
- スポンジ
ただし、吸音性能が高過ぎると反響音がなくなるので人によって寂しさや不安といったことを感じることもあります。
防振とは
防振は、振動の伝達を減らして音が伝わらないようにすることです。
具体例としては、壁や床などから伝わる音を防ぐことができます。
主に使用される素材
- 防振ゴム
- フェルト
- エラストマー
上の階の足音や鉄道の走行音などからの振動を伝わりにくくすることにも役立ちます。
振動を減退させることで騒音が発生しにくくなります。
制振とは
制振は、短時間で振動を止めて音そのものの発生を防ぐことです。
防振との違いは、物体の振動発生を直接抑えるという部分。
主に使用される素材
- シート上の制振材
洗濯機や冷蔵庫といった振動する設備の防音対策には欠かせないものです。
防音工事の一般的な内容
防音工事は一般的に下記4カ所をメインに施工します。
- 壁
- 床
- 天井
- 窓
他にも工事箇所はありますが、防音工事の基本は主にこの4つ。
騒音の大きさ、防音目的によっても変わってきますが、1カ所でも欠けると防音効果は不完全になることもあるので注意しましょう。
壁の防音工事
壁の防音工事は遮音と吸音を併用することが基本となります。
遮音材で音を遮って、吸音材で音を吸収します。
固い遮音材を壁に設置してその上から柔らかい吸音材を貼って層にすることで高い防音効果が期待できます。
ただし、遮音材や吸音材を設置することによって音響が悪くなることがあるのであらかじめ音響状態の変化を確認しておくとよいでしょう。
プロに依頼することで専門的に音響状態を確認しながら工事を行うことも可能です。
床の防音工事
ビルやマンションの場合、床に防音工事を行うのも一般的です。
床の防音工事は遮音を行うことが基本です。
遮音材をフローリングに仕込んだり遮音性能のあるフローリングに変更します。
フローリングにカーペットを敷くだけでも防音効果がありますが、子供の足音や楽器の音まで防止するなら対策は必要です。
遮音フローリングに変更した場合、「L値」といった基準があって数値が高いほど防音性能があります。
例えば、「LL-40」「LL-45」を選べばお子様の走り回る程度の音なら大幅に防音効果が期待できます。
天井の防音工事
上の階への配慮や、逆に上の生活音が気になる場合は天井の防音工事も必要です。
天井の防音工事は遮音や吸音が基本です。
音の防衛を目的として設置されてる方もいます。
ただし、重過ぎる素材を使用すると落下の危険性があるので無理に施工することは避けましょう。
いずれにしても知識や経験を持ち合わせたプロの業者に相談するのが好ましいです。
窓の防音工事
他の箇所に比べて窓は特に音漏れがしやすいです。
窓がある部屋なら窓の防音工事は必須と言えるでしょう。
窓の防音工事は窓を二重にするのが一般的です。
1枚式の窓なら2枚式にするだけでも大幅に防音効果が期待できます。
また、二重ガラスにしたり、サッシを高性能にするといった対策もあります。
防音工事をした後、さらに厚手のカーテンを設置することで効果を高めることもできます。
防音はDIYでも対策できる?
「防音工事はお金がかかるから自分で何とかしたい」
という理由でDIYで対策しようと考える方もいるかもしれません。
- 防音カーペット・ラグを敷く
- 防音カーテンを使う
- 遮音シートを貼る
- 吸音パネルを設置
このようなものなら簡単ですが、騒音レベルが高いとDIYでは対策が難しいこともあります。
本格的な工事になってくると、知識がない初心者にはハードルが高いからです。
ホームセンターなどでも素材は売られていますが、何を選べばいいか、間違った使い方をして余計に悪化させることも考えられます。
賃貸と持ち家でもやれる内容は変わってくるので「知らなかった…」、
なんて理由で施工してしまった場合、リスクを負うことにもなります。
まずはある程度の知識を頭に入れてプロの業者に頼むか、ご自身で対策ができるか判断していくことが重要です。
防音工事の種類と内容まとめ
まとめ
- 防音には複数の施工方法がある
- 工事箇所によって内容が異なる
- 騒音レベルによってはプロに任せると安心
防音1つにしても、壁の厚さや窓の作りによっても差が出てくるので施工箇所に合った工事が必要なことがご理解いただけたと思います。
防音効果のある素材は一般でも購入できるのでDIYで防音対策をすることも可能ですが、ご自身で行う場合は限界があることも理解しておきましょう。
お子様の足音や楽器、ホームシアターといった音漏れをしっかり防ぐのであれば、プロの専門業者に工事依頼されることをおすすめします。
その他防音に関するお悩みがありましたらお気軽にお問い合わせください。